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雨、より細く。
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作詞 那 |
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ねえ、どうして染まり切らないの
私の空気に溶け込みたいと鳴いたでしょう
黄昏が誘っても見向きもしなかった
ロケットに乗り遅れた偽善者は重ねて云う
鼻先をつんと尖らせて
ねえ、どうして最期に祈るの
なにも引き止めてくれないと笑ったでしょう
夜風が同情しても聴く耳もなかった
緩んだ糸では誰も私に縛りつけられない
血眼をそっと隠して
ゆらり、ゆらり、金魚みたいに
ひらり、ひらり、蝶々みたいに
ふわり、ふわり、泡沫のように
世界でいちばん優しく蔑んで
集まった粒子たちは寄り添うように微笑んで
サイレンのない現を自ら散りばめて
眠る。
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