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私
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作詞 亞憐 |
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私が4才になったある日父が出張に行った
母に「いつ、お父さんは帰ってくるの?」
そう尋ねると母は「分からない」そう短く答えた
特に寂しくはなかった
逆にほっとしている自分に気付いた
父は何かと暴力を振っていた少しでも自分の意に背けば容赦なく
真冬の寒さが厳しい夜でも防寒具を身につけないまま
地面に叩き付けられ 明け方まで放置された
気温が0℃以下になるような日でも一晩中
父が出張に行って平和に月日が流れていった
何時しか父がいない日々が当たり前になっていた
当時私はまだ幼稚園に通っている幼い子供だった
出張と言う仕事は大体長くてどれくらいなのか知らず
来る筈のない父の帰宅する日を怯えながら待っていた
この時既に両親が離婚しているなんて知る由も無かった
ある日私は子供ながらに疑問を抱いた
「ねぇ、お母さん。お父さんはまだ帰って来ないの?」
母は私に寂しいか尋ねた私は答えた
「別に寂しくないよ唯やけに遅いから気になっただけだよ」
この時初めて知ったもう父は帰って来ないと
両親の離婚と言う事実を聞かされたのは私が6歳になったある日
予感が的中したとっさにそう思ったと同時に終わった地獄の日々
でもその時思った愛って一体何
私は本当に両親の愛の証だったのかな
私が生まれたとき両親は喜んでくれたのかな
私は愛が何か知らない 人は簡単に人を愛する事が出来るから
簡単に嫌いになる事だって出来るんだ
大人達が勝手に人を愛し愛さなくなろうと自由だ
でもそんな勝手な大人達の行動の陰で泣き苦しみ
親が片一方居ないだけで寂しい想いをする子供が居ることを大人達は知らない
それを大人達に知って欲しい
私は一体何なのか 今日もその答えを探して今を生きている
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