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忘却
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作詞 鮫 |
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私はいつか忘れてしまうだろう
電話越しのくぐもる声 吐息に心臓
分け合ったイヤホンから流れていたメロディー
私はいつか忘れてしまうだろう
少女であった頃の事 熟れた林檎の瞳
笑いあった夏の日の事 白く綺麗な脚をしていた頃
薬指に嵌められた指輪に 何の意味も見出さなかった
私はいつか きっと忘れてしまうのだろう
背中の汗疹が酷く傷んで
掻き毟ったら血がにじんだ
嫌悪と焦燥を抱えながら生きたあの日を
君もきっと忘れてしまうのだろう
他の誰が忘れてしまっても 私だけは刻み付けよう
決意した幾千の夜を 私はもう忘れてしまった
他の何が邪魔をしにきても 私だけは守り抜こう
涙した幾万の朝を 私はもう覚えてはいない
少女であった頃の事 無知で向こう見ずあの頃を
私はいつか忘れてしまうだろう
背中の汗疹が酷く傷んで
内臓疾患者のように醜悪な
劣情と煽情を抱えながら生きたあの日を
君はきっと忘れているのだろう
他の誰が忘れてしまっても 私だけは刻み付けよう
決意した幾億の夜を 私はもう忘れてしまった
他の何が邪魔をしにきても 私だけは守り抜こう
涙した幾万の朝を 私はもう覚えていない
少女であった頃の事 無垢で残酷だったあの頃
私はいつまでも覚えていようと思っていたのに
いつの間に忘れてしまったんだろう
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