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客
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作詞 鮫 |
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芳しい麝香を香らせて夜半に訪れた
戸口を叩く 「雨宿り寺は此処でしょうか」
いいえ此処は駆け込み寺ではありません
「ですから雨宿り寺でしょう」
雨など降ってはいないでしょう
尚更御引取り願いたい
芳しい麝香が酔わせた夜半に訪れた
戸口を叩く 珍しく無作法な客人
あなたの知り尽くすことが全て正しいとも
不当だとも答えられない
私はただ此処で誰かの帰りを待っているだけ
芳しい麝香を纏って訪れた
あの夜半の客人のような不届き者を
憂鬱な雨を首筋に纏ってあの日に訪れた
戸口を叩く 「僕が此処に迷い込んでいませんか」
いいえ此処では見かけておりません
「ですから僕は探しています」
憂鬱な雨を首筋に纏って訪れた
戸口を叩く 本当に無作法な客人
あなたの知っていることが喩え華であっても
完全とはいいきれない
意味があるようでないようでさて貴方は何処(いずこ)に
憂鬱な雨を纏って訪れた
半月前のあの客人のような厄介者は
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