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落日
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作詞 九軒ハセヲ |
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軍刀(けん)に惚(おぼ)ほれて錆びた留金 今凭れ掛かる革の椅子
鞘より放てば散れる撫子 時代は移りて夏の香
在りし日々の君の背姿に流星を見た
想ひ返して染まるくろがね
色は匂へど散りぬるを
弓と張る月 歌ふ鈴虫 想ふ侭走つた墨のあと
名を誉れば 宵に泣き酒 時代は移れど君の影
茜射した花野に散りゆく君の生命
名を叫むでその燈火(ともしび)に
ただ盛んに縋り付く
駆け巡る走馬灯
黎明に咽び泣く
在りし日々の君の横顔に彗星を見た
想ひ返して濡れるしろがね
今、泡沫に帰せたら、唯
過ぎし日々に繋ぐ供花白蘭
想ひ返すよ何時か霄(そら)にて
君に逢へる迄
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