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作詞 蓮見瞬 |
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この世界を回す歯車のひとつにすらなれなくても
小物なりのプライドはあるんだよ
「あいつはすごいや、やっぱ俺とは違うんだ」
繰り返しの口癖の中で
自分の立つ場所や飛べる高さすら
無意識に制御していたんだ
爪を立てて引っかいても
傷つかない大きな壁を
いつか壊してみせると
息巻いたときもあった
むき出しの野生が
秩序と見栄と建前で
淘汰され
身なりを整え始めた
くすぶっていた
赤い炎は
消滅したわけじゃないけれど
深い深い檻の中に
閉じ込められている
僕一人 この世界からいなくなったとしても
困るのは数日の間くらいで
一ヶ月もすれば あふれる生と死に埋もれていって
一年もすれば 一日ぐらいは涙を流してくれる人もいるだろうけれど
僕のいない世界が 変化もなく廻っていく
この世界を回す小さな歯車にすらなれなくても
小物なりのプライドはあるんだよ
たとえ僕がこの世界に与えられる影響が
一握りの人にしか届かなくても
目の前に立ちふさがる
大きな壁が
周りから見たら
小さなもろい壁であっても
奥の奥に閉じ込められた
炎を再び呼び起こして
研ぎ澄ました 爪で
100年は残らなくても
半世紀くらいは残るキズ跡を
残したい
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