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雨傘
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作詞 莎雪 |
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胸を濡らす 生温いしずくの色を
濁る空が零した 寂しさに溶かしてみた
息の詰まるような埃っぽい日向の匂い
拭い去ったつもりでいたんだ
そっと 目を奪われる 雲の切れ間
胸に込み上げる 忘れたはずの 愛しさ
小さな雨傘に打ち付ける 青い声は
あの日の さようなら の一言を掻き消して
忘れたの 忘れたかったの 思い出させないで
まだ 鳴り止まないで
優しく照らす 鮮やかな朝焼けの星
嘆く空が落とした 悲しみに映りこんで
夢に縋るように伸ばした指 触れた瞬間
呆気なく崩れて波に紛れた
頬に触れてた嘘は 優し過ぎて
伝う涙でも流せずに ただ 痛むの
壊れた雨傘に打ち付ける 冷えた心
あの日の 行かないで の一言を掻き消した
繋いでも 繋ぎとめられず 離れてしまうなら
もう 触れないでいて
風が吹いた 雨が止んだ
嘘つきなあなたの声が聴こえた
雲が流れた 光が射した
澄んだ青の眩しさに目を逸らした
小さな雨傘を包み込む 青い空に
飲み込んだ 愛してた の一言を伝えたくて
柔らかな思い出になるまで あの日向を
まだ 胸に抱き締めて
いつかはこの傘を畳んで 青い空へ
あの日の さようなら を
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