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ありがとう
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作詞 莎雪 |
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中学の三年間
特にたいした事もなく
あっという間に過ぎ去っていった
もうすぐ…終わるらしい
でも泣くなんて事 絶対に無いって
早くこのぬるま湯に浸かってるみたいな
ふやけたような毎日が終わればいいって
そういう風に思ってた
そう...そう思ってたんだ
なのに おかしいよ
数え切れないほど多かった
「ね」っていうありきたりな先生の口癖が
赤いボールを破裂させてた
馬鹿で無駄に五月蠅い男子達の騒ぎが
グループで固まってばっかりで
恋バナで盛り上がってる女子の話声が
耳の奥で鳴り止まなくて
深くて足がつかなくて大嫌いだった
古臭い25メートルプールが
体育館の窓からふと見えた
スプリンクラーの七色の3つの虹が
一度も入った事がなかった
高い高いバスケットゴールが
瞳の奥を熱くする
嫌いだと思ってた皆のざわめきが
本当にほんの少しの 些細なことが
溢れて溢れて止まらない
気にも留めてなかったはずの一瞬一瞬は
何気なく過ごしてた取り戻せないこの時間は
当たり前のように私の傍に在って
いつのまにか 私の一部になっていたんだ
『馬鹿みたい。早く気付けばよかった』
――そんなことない
今 気がつけて良かった
気がつかないまま終わらなくて良かったよ
あっという間に過ぎ去っていったのは
たくさんの大切なモノをもらっていたからだった
ここには ただただ あったかい空気があって
あったかい皆がいてくれる自分の安心できる場所だった
果てしなく広い宇宙の中
数多くある惑星の中
永遠に続く時間の中
出逢う事のない人の方が多い
この世界の中で
みんなに出逢えた事に
この場所に出逢えた事に
一緒の時間を過ごせた事に
たくさんの奇跡の中で出逢えた事に
今更かもしれないけど…まだ届くはずだから
三年間の全ての思い出の分だけ ありがとう ありがとう ありがとう...
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