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蛍
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作詞 T坊 |
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河辺に漂う蛍が一人。
橋から見下ろす人間一人。
愛するものを失って、生きる意味さえ失った。
僕は何処にいる?
解っているのに。
君は何処にいる?
解っていたのに。
蛍がふわりと指先に止まる。
滲んでそれがよく見えないけど何故か君のことを思い出した。
指先に止まる光が一人。
それに涙する人間一人。
愛する想いを見い出して、届ける術も見い出した。
僕は此処にいる。
解っているから。
君は此処にいる。
解っていたから。
蛍がふわりと河辺へ帰る。
滲んでそれがよく見えないけど何故かそれを放したくなかった。
離れ行く橋を見つめながら
滲んだ星空に別れを告げた。
遠のく景色と意識の中に僕と君が居たあの頃を想う。
河辺に漂う蛍が二人。
橋から見下ろす人間はもういない。
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