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おまじない
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作詞 ぽたま |
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「ママ 痛いよ 転んじゃった」
『チチンプイプイ 痛いの痛いの 飛んでけー』
そのあったかい手が とてもとても 大好きでした
そんなので痛みが消えたら みんな苦労しないけど
そんなので僕は あっさり包まれちゃうんだな
でも僕もね もう幼くないからね
だんだん離れてくよ その言葉からも その手からも
幼い頃の記憶って 意外と昨日のより鮮明で
気まぐれに僕をあやして 気まぐれに僕の首を絞める
だけどそれをするのは 紛れもなく あの頃の僕だから
それを聞かなくても 涙は零れなくなりました
その手を繋がなくても 歩けるようになりました
やったよ 僕の雄姿 誰か見ていてくれたかな
でもね なんだかね すごくすごく 寂しいな
独りで歩く あなたの後ろ姿
あの頃繋いでいた手 今は哀しげに宙を舞う
冷たくなったそれを 久しぶりに握り締めた
「結婚したい人がいるんだ」 俯いた僕にあなたが笑う
「そう 早く孫の顔が見たいわ」 うれしかったなあ
「あなたに似ていたら またあれを 言ってあげなくちゃね」
うん だからね その時を迎える前に
痛みで冷えたその手を 今度は僕が包みます
あなたがかけてくれた おまじないと一緒に
『チチンプイプイ いたいのいたいの とんでけー』
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