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隣人
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作詞 ぽたま |
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頬杖ついて 妙に不機嫌そう
「この子朝嫌いなんだ」 なんとなく思った
不意にぶつかった視線 ぱっと逸らしちゃった
「おい聞いてんのか?」 「え、何ですか?」
目の前に先生のコワイ顔 あららやっちゃった
びっくりしたんだ ああ恥ずかしい
赤く染まる頬 少年の照れ隠し
隣の席は 不機嫌そうなあの子の席
可愛いから? 優しいから?
ううん違う そんなんじゃない
でも気付いたら 視線の先には彼女だけ
僕の弁当がさらわれた どこ行ったんだろう
隣を見たら あら不思議 彼女が食べてました
「料理上手だね」 奪われた僕の卵焼き
「ごちそうさま おいしかったよ」
ああなぜか僕も満腹 ほっぺたが落ちそうだ
午後の授業なんて 僕の頭に入らない
届くのは彼女の声と うるさい鼓動
隣の席に 朝が苦手なあの子がいる
美人だから? 明るいから?
全然違うね わかんないけど
少年は この気持ちの名を知らない
「先生!」 「何だ」
「席替えしましょう!」 「却下」
僕の必死の訴え 鼻で笑われて流されました
「ねえ」 「何」 「好き」 「え?」
駄目ですよ 不意打ち狙うなんて
「君の卵焼き」 「あ、ありがとう」
恥ずかしくなって 胸が苦しくなって
だけど この気持ちの名前を知った
僕の目に留まる隣人は 卵焼きが好きで
僕はそんな隣人が 彼女が
不機嫌そうなあの子が きっと好きなんです
「先生、やっぱり席替えやめましょう」
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