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鳴らない携帯
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作詞 ぽたま |
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いつからだったろう 僕は寝坊するようになった
毎朝掛かってきてた電話が 途絶えてしまったから
馬鹿だなあ 何であの手を離してしまったんだろう
繋いでいた その記憶は まだ鮮やかなのに
僕とあの人を離すように 時間は止まってくれなくて
鳴るはずのない携帯を握り締めて ベッドにうずくまる
「おはよう まだ寝てるの? 遅刻しちゃうよ」
いつもの内容 他愛も無い会話 なんてことないけど
今もまだ消せないんだよ この想いを
手からすり抜けていったあの人は 今どうしてるだろう
きっと僕のアドレスは もうあの携帯には入ってない
わかってるよ もう戻れないこと
だけどそれらすべてを失って やっと気付けたことがあるよ
甘い思い出だけじゃ 生きていけないんだ
寝ること以外の時間は 僕にとってすごく辛いもの
あの人を思い出すたびに 胸が疼くから
歩き出さなきゃいけないのは わかってるんだけど
もう少しここにいさせて じゃないとまた 崩れる
昨日 あの公園に行ったよ お気に入りの桜の木
満開にはほど遠いけど 小さな蕾が 今年も花を咲かす
そんな時 握り締めた携帯が ピンク色に光った
「久し振り 今何してるの?」 「桜の木の下にいるよ」
耳の中に響く 懐かしいその声が とても愛しくて
今すぐこの電話を切らないと 溢れ出してしまいそうで
「そこで待っててね」 5分後にあの人が来た
息を切らして近付く彼女を 強く強く抱き締めた
流れるその涙を 再び拭ってあげたんだ
飾った言葉なんていらないから もう少し このままでいさせて
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