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創造者 To Episode 20
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作詞 螺旋兎3 |
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僕は眼を開ける。
貴方はそこに立っていた。
錆びた機材が目立つ部屋 寂しさの残る眼で僕を見て
疑うように近づいて「初めまして」と言った。
唯一の記憶には幾億の言語で埋め尽くされ
感傷が出来ない僕に この小説の意味は解らない
情報が騒ぎだすような感覚も淡い幻想のように漂うだけ
上手に何も表現出来ずに 僕は動いてる 息もしないで
死なない僕に『生』の価値は良く解らない
1.2.3.4.5.......
僕は眼を開けた。
もう永遠に閉じない。
滅びた世界の小さな空間 貴方は嬉しそうな顔をして
憂うように近づいて「おめでとう」と言った。
創造されて一年が経つ それだけで笑うけど
感傷の出来ない僕は その表情の意味も解らない
貴方の優しさも データだから揺らぐ風のように透き通って
こんな身体に愛は必要ない 僕は笑えない 死ねないのに
死ねない僕に『生』の意味を詳しく教えてよ
こんな姿なのに生きてると呼べるものなの?
6.7.8.9.10.......
僕は眼を開けてる。
貴方はそこに倒れてる。
11.12.13.14.15.......
僕は眼を閉じたい。
貴方はそこで死んでいる。
音も立てずに何かが嘘みたいに崩れて消え失せた
呆れるように [これが死だ]と情報が言った。
この理屈だけなら 理解は出来てるけど
感傷が出来ない僕の原因不明の喪失感は何?
こんな想いは嫌だ 気持ち悪い 痛覚以外の痛みで苦しい
機械の身体は震えている 僕は泣いている 涙も流さないで
この現状は死ねない僕に存在の意味すら奪った
AM.2:00。 16.17.18.19.20.......
“『生』とは触れ合うことを言って
『死』とは断ち切ることを意味するのだろう”
Nice to meet you.
Thank you for making me
Bye Bye. My CREATOR 20〜??
世界が幻だったら良いなぁ
そしたら この悲しみも有り得ない。
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