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現実逃避
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作詞 零無彩 |
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(少女は繰り返した)
(「此の道を進めば辿り着く、桃源郷へ」)
銃の音に飛ばされる虫達
耳を塞ぐ 嗚呼!
銃声が轟いた
蹴散らす兵隊さま達に
乞う 尊厳無くした者達
こんな世界で生きている
意味など存在しているのだろうか
一秒でも良かった
幸福が欲しかった
復讐に染めろ
「一体それで幸福が得られると御云いますか?」
其れを訊かないで
下さりませぬか?
(少女は進む、野獣道夜道。)
(ボロボロの着物を引き摺る、傷だらけでな)
甘い言葉に惑う者たち
耳を塞ぐ 嗚呼!
吐息が零れた
血管が浮き出る涙みち
乞う 人柱ってなぁに
こんな世界で死ぬなんて
それで本当に良いのだろうか
一秒でも良かった
安息が欲しかった
快楽を求めよ
「快楽などとは死相だらけの世の中で?」
其れを訊かないで
下さりませぬか?
甘い桃源郷は檻
見せかけだけの甘い檻
罠にかかるはあの少女
辛さに耐えられず
――重たい大門 開ければ桃源郷
――広がるは戦争とは無縁の甘い甘い世界
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