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縁の下の某
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作詞 捺 |
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無機質の塊の山に埋もれて
黒く冷たい匣を見た
名声と栄光を得て
尚もその匣は開かない
縁の下の何とかが 潰れて死にかけていた
黒蝶の舞う庭園に寝そべる
怠け者の姿を眺めた
続く甘楽にまだ
酔いしれ惚けている
舞台の上の人々も 苦しみ逝きかけていた
崇められ 称賛された
彼の望みはたやすく叶った
褒め称え 騒ぐ彼らは
おこぼれを 食して生きた
濁った心を 変えようなんて
Ah この世の誰が思うんだい?
縁の下の某は 無垢な心で死んでった
鏡を覗いて僕は愕然とした
冷たく黒い匣を持つ
厭らしい顔その人は
まさしくどこぞの彼だった
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