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火葬
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作詞 さえこ |
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キミが細い腕にしまいこんだ悲劇と
キミの血痕を握り締めた私の拳と
果てない未来へ続く希望が今
赤く終わりを告げた
小さい村の片隅
暗闇に身を隠している
赤く燃え上がる炎の中
キミの優しい顔が浮かびあがった
笑いかけてくるキミの顔
私より長く呼吸をしていて欲しかった
ただそれだけが叶わない未来
キミが遠のいていく 霞んでいく
炎へと消えてしまう―
空の彼方へキミの破片が飛び散り
高く舞い上がった先で風に流れてく
声が途切れたその先先端が今
赤い炎に消えた
走り出そうとする足
焼けるように熱くなり
鉛のように重くなったから
私はその足をナイフで斬り捨てた
呼びつづけていたキミの名前
無邪気に笑いながら聞こえるキミの声
ただそれだけが無謀なユメ
キミが欠けていく 無くなっていく
跡形もなく燃えてしまう―
雲間から差し込む日差し
暖かく キミの腕に包まれた様な感覚に囚われ
灰と化し消えていったキミの破片が
目の前を通り過ぎる
焼きつく目の奥
葬られた黒の世界が
鮮やかに 蘇る 命を連れて
「――――」
笑いかけてくるキミの顔
私より長く呼吸をしていて欲しかった
ただそれだけが叶わない未来?
キミが近づいてくる 私を呼ぶ
今そっと呼吸を取り戻す―
艶やかに 鮮やかに 美しく
今キミが咲き乱れる
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