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詐欺師と祭司に
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作詞 袋タツアキ |
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愛し合い
私たちは溶け合ったしかし
全部シチューの中の出来ごとだ。
たくさんの好き嫌いや会話や温もりともに
煮込まれる具財として
社会に許される。
母に黄色い傘を強請っていた我が子に、
何も知らず柄物のレインコートを買い与えた
父親のためのシチューかもしれない。
飽き足りた忘我
三角定規を並べた学習机に
凍えた怒りでばら撒くセンテンス
詐欺師に
視床下部を明け渡し
狂った時計の針を追いかけた
右目がまだ還って来ない
どれも これも あれも それも だれも
彼も
満ち足りた自我
惨たる状況を並べた白昼夢すでに
ついえた祈りでばら撒くセンテンス
祭司に
視床下部を明け渡し
いかった羅針の針を追いかけた
左目すら還って来ない
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