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夏の終わり
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作詞 oreneko |
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「ねえこれってまだ食べられるかな」
賞味期限切れの僕ら
君が平気なら好きにしていいよ
そんなことばかりの僕
「最近どうにも動きが鈍くてさ」
通電すらしなくなった
冷めた関係を温めるレンジは
保証期間外だったんだ
「やり残したことしようよ」なんて
君が珍しく海に誘って
はい か いいえ か分からないぐらいの
曖昧な返事で 車を走らす
砂に描いた二人の未来も
小さな波がさらってしまう
無言のまま握りしめていた手を
ほどいて君は告げた
さよならという言葉の重さが
白い頬を少し濡らしていた
去年の夏に残った花火の
ひとつをずっと眺めながら
火曜と金曜は燃えるゴミの日で
毎週土曜は外食の日
そんなルールとか些細なあれこれ
抜け落ちてくれなかった
嫌いなものは見向きもしない僕と君は
真逆なのに
好きなものなら最後に取っておく
そういうとこは同じだった
君の足跡だらけの部屋の中
趣味じゃないCDと漫画も
片付けることなんて出来なかった
まだ終わりじゃないなんて思っていた
机の上のゴミに紛れてた
伝えきれなかった感情も
開け放つ窓からそよぐ風に
吹かれて消えればいい
行きたい場所をリストアップした
メモすら大事に仕舞ったよ
そこに綴られていた文字にさえ
愛しさを感じていたのに
「やり残したことしようよ」って
そういう意味だったの
早く言ってよ
でもそうか
君はずっとそんな感じだったな
僕だってずっとこんな感じだ
君の影ばかりを見つめていた
それが幸せだとも思わずに
最後はキレイに片付けるから
お互いに忘れていけるように
これで本当に終わりになるかな
繋いでいた手は離れていった
去年の夏に残した花火は
君と僕を繋ぐためだったの
そんなことにも気付けなかったの
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