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幸せの太い幹
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作詞 genjitsu |
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渇いたその地に水が触れる気配はなく
その太い幹はまだ何も語らない
かろうじて残った花も飢えているのか
どこか息苦しそうで
緑が血を流している
緑が泣いている気がした
その太い幹が今 僕らに訴え始めた
窓を開けたら 淀んだ空が叫んでいて
キツツキの涙が雨と化して 僕らに降り注ぐ
そんな光景を見て見ぬふりして 気づかぬふりして
今日もやり過ごすけど
悲しそうな顔をして 吹きわたる木枯らし
その太い幹はひとつも動じない
木枯らしも負けじと勢いづけるも
結果は変わらなかった
緑が残す言葉はなく
緑に贈る言葉もない
その太い幹はただ 小鳥のさえずりを惜しむ
窓を開けたら 当たり前のように庭があり
楽しそうに水をやる 君の後ろ姿を眺める
これを「幸せ」と人は呼ぶのか ふとあの地を思う
僕らは贅沢者だ
その太い幹は言った
あの地には豊かさのかけらもないが
愛で満ち溢れている と
その太い幹は泣いた
亡くした仲間を思ってだろうか
窓を開けたら 空は笑顔を取り戻し
キツツキも泣きやんで また元気に木をつつきだす
そんな夢を見て ちょっと涙ぐんでしまった
この風はきっと いつかあの地でも吹くだろうから
僕の想いを乗せておくよ あの幹に届くといいな
儚い願いを信じてみれば ふとあの地を思い
一生懸命 生きてこうと思えるんだ
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