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2月14日
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作詞 FELLOW |
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「一日がもっと長く続いていたら… もっと一緒でいられるのに、
一時間、いや一分一秒だっていい… 。」今でもそう思うことがあるよ。
壁にかけてあった、カレンダーを取り出した。「この日にデートしよう。」って
病院にこもりっきりの私に「予定あいてる?」なんてとぼけた質問して…
「どうしても二人で行きたい。」っていうあなたは、
おかしいくらい真剣になっていたね。
「じゃあ、この日にね。」って、日付にマルをつけた。
「いつも、ずっと、私の前では笑顔でいてよ。」と まさかそんな、覚えていたのかな。
あなたが聞かされるその前から、自分なりに、わかっていたこの命の終わり。
「ねぇ、どうだったの。」って尋ねる私に、
あなたは優しいウソをついたね。
「2月14日は分かってるよね。」って、カレンダーを指さした。
「もう帰らなくていいの?」といった私に、
「今日は君とここにいる。」って、布団まで持ち出して。
寝苦しそうにしているあなたが気にかかって、眠れずにいたけど…
うれしかったよ。
その日の夜に初めて分かったんだ。 あなたがどんなに淋しかったか…
同じ思いでいた、いや、それ以上のはずだったよね。
あなたをもう独りにしない。 誓ったのに…
約束の日の前の夜、「もう帰るね。」ってなぜか忙いでるふうだった。
「明日は覚えてる?」って、「忘れるわけないじゃない。」って、
いつもどおりに、キレイな笑顔でわたしに微笑みかけてくれた。
ありがとうね。
夜更けのナースコール、鳴り響く。
電話をかける音がする。
走りこむ足音、
ガラス越しにうつったあなたが、
初めて見せた指輪と涙。
ああ、触れられなくなった今でも、 あなたが傍にいてくれたこと、
うれしくて、きっと私がそうするより、傍にいてくれたから。
ありがとうね。
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