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『夜蝶ノ恋』
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作詞 なるなる |
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心の影を晴らす 光は無くて
誰の優しい言葉も とどまらなくて
心の痛みを越える身体の痛みだけが
胸狂おしい程、愛しくなってた
自ら刻んだ傷 羽ばたつかせて
零れる鱗粉 空で色彩を帯びた
東から顔を出すあの光だけが
「君は美しいんだね」と包んでくれた
恋をしたけど… それはあまりに眩しすぎて
近づきたいけど… ドロドロに溶けてしまいそうで
視界を覆い 光遮るの
※目を開けた その時に 彼はいなくて
部屋に灯す 擬似太陽 満たされなくて
光を求め 繰り出す街の ネオンを吸って
欠けた羽に 固めた化粧は 妖しく誘う
☆刹那の愛に溺れて 心を売って喘いだ
隙間埋めるための 安い蜜を買った
「君は美しいんだね」とか嘯(ウソブ)かれて
光に群がる毒蛾と朝を迎えるの
愛する彼は光る いつものように
その優しさは世界に 振りまかれるの
いつかは冷たい夜に浮かぶ月のために
叶わぬと知って尚、愛しくなってた
恋をしたけど… それはあまりに届かなくて
近づきたいけど… 毒に蝕まれてもう飛べなくなって
伝えたいけど… 綺麗な羽は蜜で汚れすぎてた
彼は今日も 月、追い掛けるの
※夜が来て 切なくて 欠けた月睨む
傷付いた 振りをして 星従えながら
妖しく笑う 月の女王 認めまいとして
「傷付けば愛してくれるの?」と 羽引き千切る
☆止まらぬ血に怯えて 地面を這って藻掻いて
彼の優しさに飢え 何度も傷を抉(エグ)った
壊れた愛の結末 夜、身体震わし
心も凍えて孤独に命を散らした
最期の瞳 映し出した日食
見開いたまま世界は残酷に終わる
ただ一人にだけ愛されたかった
ただ一人に受け入れられたかった
純粋で綺麗な夜の蝶が
生きてくには世界が汚な過ぎた
それが普遍的になった世界で
その命は最期まで孤独だった
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