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大脱出
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作詞 月魚 |
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ある晴れた水曜日の朝
上司がいざなう会議室
あれ・・?ご立腹なご様子・・・?
思わず口ずさむメロディー
「どなどなどーなーどーなー♪」
口の端から 泡を飛ばしながら
怒鳴り散らす
このハゲオヤジの言うことを
日本語に訳すと・・・
誰かが何かをやらかして
私に転嫁した模様
一瞬、真っ白になった心に
タイプライターが打ち付けた三文字
「理不尽。」
20分経過・・・
急速に冷めて行く脳ミソが
ハゲの分析をはじめた(ライブラ)
レベル 50歳(精神年齢12歳※反抗期)
HP 893
MP 4
弱点 キャバ嬢・支社長・取引先の社長
得意技 根回し・付け届け・弱い者いじめ
ハゲはまだ怒鳴っている
(ぅ・・息が臭い・・・。)
ハゲにつける薬はないな
(ぁ・・バカだった・・・。)
激しく胸に去来するキーワード
「クダラナイカイシャ×∞」
30分経過・・・
ハゲの怒りは治まる気配がない
このユデダコの言うことを
端的に要約すると・・・
「始末書を出せ!」
と言っているらしい
「ハイ。ワカリマシタ。」
機械的に答えると
ハイスピードで席に戻り
会社の封筒を掴み取ると
流れるように「退職届」と書いた
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
閉塞された空間から脱出すると
空はどこまでも青かった
タイプライターが胸を打つ
「人生は上々だ。」
私は笑った
けせらせら・・・
けせらせら・・・
けらけらけら・・・
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