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傘
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作詞 任侠 |
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本日16度 ベタ塗り灰色
パラパラ 落ちている雫
すべてを運のせいにした
戦士は天を睨みつける
降りかかる 雨をあきらめた
いつしか戦うのを避けていた
立ち向かうのは その手の盾を
放ってもいい時くらい
「また強い雨が来る」 戦わない戦士
蒼色を待っている 戦況は 変わらない
あぁ あのドームを 僕が自由に廻せたら
あぁ あのドームを 僕が自在に描けたら
雨など この国の行く先に
降らせてなるものか
本日22度 ベタ塗りの蒼
魅惑の綿飴 泳いでる
この手で生んだ幸せは
その手の盾を 放るほどだ
手に入れた力 塗り替える力
ドームに理想を塗りつける
毎日が望んだ色の世界
戦う物などどこにもない
それでも 輝くよう描いても 耀いて見えない
穴が開いてく満足感 足りないものが わからない
あぁ あのドームを 僕は自由に廻してる
あぁ あのドームを 僕は自在に描いてる
雨など 降らせてはいないのに
心にポツポツと
理想が狂って 狂った手
破りたくなる 無様な絵
鉛のような痛い雨
国を蝕む黒い空
幸せになれるよう描いたのに
幸せを得られない
本日29度 ベタ塗りの黒
鉛のような黒い雫
どう足掻いても 描いても
黒は塗りつぶせやしない
したたる黒をはじく 傘
戦う道しかないようだ
集まった黒が襲う 霧が飲み込んでく
全力でも流される 体がなまって きりひらけない
無我夢中 戦う途中
ふと見上げたら
黒に空いた穴から
見境の無い通り魔 やけになってる盗人も
光の見えない僕の心 まとめて照らす
茜の空
あぁ 僕が空を 自由に廻せずによかった
あぁ 僕が空を 自由に描けずによかった
また 廻していたら 幸せが刹那と化していた
また 描いていたら 虚しくこの手で隠してた
どんなに 暗い空だろうと
どんなに 黒い雲だろうと
見えない届かない その場所は
いつでも 元の色
本日22度 灰混じりの白
あの空を廻せたらなぁ
微笑んで戦士は 思い直す
「ちょっと 考えてみただけ」
そう、 考えてみただけ。
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