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ふたりごっこ
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作詞 空色kinoko |
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秋をやり過ごした後の港は
涼しくて白い風が往来する
色の無い空には何も浮かばず
やさしいあなたの形だけがよく視えた
開きかけた唇は期待を
簡単に裏切って其方を向く
何も無いわたしたちには全部が
幼振った希望でしかないんだって
こんなに近いあなただって終には幸せになった
忙しない昨日までを想えば
明日は屹度幸福で冷たくなるだろう
世界が此の儘広くなるなら
ほんとうはずっと舐め合って不幸で居たかった
何時もと同じに押し付けた頭蓋は
期待通り慣れた暖かさに解けた
還れなかったわたしたちはもう
帰りたい場所には往かれないんだって
折角識ったかなしみだって今では薄れてしまった
変わりそうにない世界の隅で
明日も屹度幸福を求めて居るんだろう
光がこんなに溢れて来るなら
ほんとうはずっと視えないで不幸で居たかった、のに。
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