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死神の言霊
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作詞 ◇道化師◆ |
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魔法をかけて、息を留めて。
恋人達は手を繋いで、
洩れた吐息は白く染めて、塞いだ唇は紅く染めて。
誰かが言った。
天使を黒く染めてしまおう。
悪魔は白く染めてしまおう。
町の子供達が口々に囁く。
『やってきた』
『やってきた』
『ついにこの日がやってきた』
『早く、早く』
『早くしなきゃ魔法終わってしまうよ』
『大丈夫。まだ夜は明けないよ』
「何をそんなに慌てているんだい?何が終わってしまうんだい?」
大人が尋ねた。
『悪魔が』
『天使が』
『真っ黒に』
『違うよ、真っ赤だよ』
『まだ終わらない』
『終わらない』
笑い声だけ残し、子供が消えた。
雪の夜は注意して。
赤い死神が雪を紅く染めに来るから。
ほら、振り向いてごらん。
ね?解っただろう?
……でもね、知ってた?
見てしまったらもう帰れないんだよ。
大丈夫。怖がる事は無いよ。向こうにも友達がいっぱい居るよ。
そう、君のような子供がいっぱい、ね。
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