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パラダイス*ロスト
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作詞 夜来香 |
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嘘つき者は泣きました。三日月の上で。
そして白い折り鶴に問うのです。
「僕は間違っていましたか?」
正直者は笑います。太陽の下で。
そして黒い折り鶴に言うのです。
「僕は最低かもしれない」
時に言葉のナイフは何をも引き裂く
残酷な武器となるのですから。
滑稽なピエロを突き落として
吠えるライオンはサーカスのてっぺんで
千羽の鶴を引きちぎって
俺は正義と叫ぶのです。
嘘つき者は泣きました。世界の表側で。
そして白い鶴に言うのです。
「僕は消えるべきなのですね」
正直者は笑います。世界の裏側で。
そして黒い鶴に問うのです。
「ここは世界の表だろう?」
時に言葉のナイフは正義を振りかざし
幾多の正義と刃を交えます。
脆弱なマリオネット淘汰して
テグス喰らうは王様の赤い口
千羽の鶴も喰らう口で
俺は正義と叫ぶのです。
三日月は太陽になりました。
表側は裏側になりませんでした。
嘘つき者は正直者になりませんでした。
ライオンはライオンでした。
王様は王様でした。
白鶴に込めたのは正義ですか。
黒鶴に込めたのは悪ですか。
その願いを正義と呼んだのはライオンですか。
その願いは悪だなんて
決めたのは王様ですか。
僕がいたのは表側ですか。
反対側は裏側なのですか。
誰が決めた正義も願いも素知らぬ顔で、
弧を描く深紅の口で、
堕天使は微笑みました。
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