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夢の結び目
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作詞 愛弓歌 |
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目深に被る帽子の鍔(つば)の先を撫でる
掠(かす)れた口笛は雨音にかき消され
2、3メートル先で弱々しく滲む
僕はまた雨粒の残像を避ける
くしゃくしゃの地図 滲んで読めない文字
矢印の先 その場所までもう少し
気づけば足は擦りむき 服の袖は破れ
凍えた心臓は切なさを廻らせて
2、3メートル先さえ霞んでく刹那
掻き分けた弱虫の残像に一閃
開けた景色 地平を見晴らす丘
雨は上がって 雲間に陽射しが射す
虹の破片が 荒野の花を照らし
淡い微風が 旅路に色を与える
確かに美しい景色だけれど
それでもなんだか物足りない気がして
押し寄せる少しの寂寞と酷い疲労感に俯くと
足元に雑な地図と走り書きを見つける
「オメデトウ、ゴールノオイワイニスタートヲアゲヨウ」
僕はひとしきり笑うと、またゆっくり歩き出した
目深に被る帽子の鍔の先を撫でる
掠れた口笛は足音を弾ませて
雲の海へと刺さる軌跡を踏み締める
繋がれた絶え間ない夢追いの旅路
四つ折りの地図 いつしか見慣れた文字
矢印の先 その場所は遥か遠く
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