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痺れた左手と忘却の唄
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作詞 愛弓歌 |
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僕の頬を撫でるのは君じゃなくて風
晩夏の匂いが僕の昼寝を醒ます
覚えていない夢のそのヒロインは間違えなく君
僅かに潤んだ目尻がそれを語る
苦笑いのまま机のスタンドをつけて
ノートを開いてシャーペンを握る
君の偶像を言葉に託して
天使の唄を描きつけるけど
Aメロで歪み Bメロで止まる
君の笑顔が思い出せないよ
さっきまで枕にしていた左手と
寂しさにショートした右脳が
ちょっとだけ痺れているみたいだ
僕の唄がなぞるのは愛じゃなく痛み
夏の終わりの空は孤独に沁みる
おぼつかない記憶のそのヒロインは俯いてる君
「じゃあね、さよなら」 天使はそう呟く
苦笑いさえも作れず両目を閉じて
少しだけ強くシャーペンを握る
君の偶像は笑うことも無く
忘却だけが言の葉に乗る
目を開き遠くを眺めれば あの日と何一つ変わらない空
夏と秋のちょうど真ん中の 地平と雲のちょうど真ん中の
天使が羽ばたいていったその軌跡ならまだ覚えている
天使がはためかせた羽根の白ささえ忘れているのに
Cメロの終わり 僕は泣いていた
君の笑顔が思い出せないよ
悲しみを垂れ流していた左手と
寂しさにショートした右脳じゃ
もうきっと描けないみたいだ
もうきっと君は笑わないんだね さよなら
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