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小さな無限、大きな有限
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作詞 愛弓歌 |
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声が聞こえたような気がして
ひどく早い時間 飛び出たベランダ
音だったと気づいたよ それでも
白む空に言葉を投げてみた
僕はちょうど昨日絶望したところだよ
近似の誤差にも満たない僕に潜んだ
悲しみや悩み、苦痛のその類いに
意味があるとは到底思えないんだ
また音がした 風の叩く渇いた音
無情な空 無機質な青
だけどこんな小さな僕を
押し潰しも溶かしもせず
音がふと静まった刹那
ひどく冷えた素足 早まった鼓動
声だったような気がして 慌てて
眩い空に言葉を置いてみた
僕の世界に満ちた絶望に似た色を
美しい蒼の中に湛えているのは
悲しみや怒り、喜びや楽しさとともに
君が僕の世界の住人だからかい?
また音がした 風の撫でる潤んだ音
寡黙な空 雄弁な蒼
そうだこんな小さな僕が
映し出した有限な無限
僕という卑小な存在に与えられた認識と思考
こんなに広い世界だ 迷子にだってなる
だから胸を張ろう
このあまりにちっぽけで壮大な苦悩に
また音がした 僕はそれに意味を与える
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