|
|
|
P. S
|
作詞 愛弓歌 |
|
「最近とてつもなく暑いですね
もっと暑いところにいるあなたが気になります
この前みたいに暑くてやられたり
逆に冷やしすぎて体壊さないようにね」
余った紙のスペースにそっと
何気ないような文章を添えてみた
どうでもいいことだけれど
ちょっと微笑んでくれたらいいな
そうやって僕らの手紙は
お互い追伸を書くようになって
そこに君の暖かさがあって
いつもちょっとだけ楽しみだった
「最近嫌なことがありました
こんな泣いているのになぜあなたがいないんだって
この距離を憎んだけど勝てなかった
ほんとに、ほんとにすいません、さよなら」
一年くらい後、君の手紙の
何気ない文の後のこの追伸を
読まない振りをしてみたけど
嘘みたいに涙流れてきた
そうやって君は手紙の
追伸に別れの言葉を託した
そこに君らしさがあるようで
涙流しながらちょっと笑えた
こうして僕は最後のペンを握ることにした
君に謝ろうとしたけど不意に出てきたのは
あふれるほど感謝だった、P. S
「今年もとても暑くなりそうですね
こんな距離も越えられないぼくの愛だけれど
こんなに人を愛せたのは初めてでした
ありがとう、ほんとにありがとう、さよなら」
|
|
|