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Beautiful Murderer
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作詞 愛弓歌 |
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結露したガラス越しの
朝焼けの匂いは仄か
開け放つカーテンを追い越す日差しは
荒れ果てた部屋を書き上げる
地平線の上をなぞる
暖色と寒色のコントラスト
鱗雲に染みて揺れる
柔らかな今日を想う
電線の上で微睡む
鳥たちの唄う先は光の幕
重い羽根を羽ばたく影が
枯れ果てた落ち葉に落ちる
始まりは終わり 終わりが始まる
君を忘れる日など信じられないけれど
闇に紛れた夜の帳の中で
こんな朝焼けを想像できただろうか
君と買った豆で入れた
コーヒーの薫りが微か
二つ組のカップで波打つ苦味は
泡沫の恋を書き上げる
地平線の上で霞む
橙は段々とフェードアウト
水彩画のように滲む
柔らかな今日を想う
五線譜の上で微睡む
鳥たちの並ぶ位置はメジャーコード
笑い合ってさえずる唄が
悲しげな静寂に響く
忘却を隠して 忘れた忘れ方
君を忘れる日など信じられないんだよ
光を纏う朝の響きに乗せて
歌う哀しみを心に刻み込むから
朝の片隅に薫る夜の名残り
記憶さえ侵食する光は
残酷なほどに綺麗で
空気に刻んだ細かい筋に乗って
舞う光の唄に僕は不似合いな切なさの詩を重ねる
忘れろと人は言う 痛い 痛い 痛い
始まりは終わり 終わりさえ終わる
君を忘れる日など信じたくないよ
だけどそれでもその日は来ると
こんな朝焼けは笑顔で失恋を殺す
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