|
|
|
平行の交点
|
作詞 愛弓歌 |
|
ビルの森が直線の影を描き
赤い世界にグラデーションをつける
さっきまで笑いあった緑は鳴りを潜め
僕は静けさに音を塗りたくる
イヤホンから零れる音
僕は無表情に笑う
たった一言で終わらせられる世界が
複雑に躍動して帯びた哀愁は
24のリズムで同じ色に染まる
きっと世界の終わり、その次も同じ
赤を隠す直線の影は尖り
僕の座ったベンチの方に伸びて
さっきまで黙っていた緑が不意に笑うと
僕を突き刺して音が鳴り止んだ
イヤホンから零れる音
僕は無表情に笑う
たった一言で終わってしまった世界が
鮮血を纏いながら帯びた狂気さえ
24のリズムから逃れられないと
きっとそれならばそう、それを詞にしよう
息を吸うと三つ数えて
イヤホンをはずし目を開ける
軋んだブランコの音 足元の野良猫の声
いつものように餌をやると
黒い毛並みを僕に寄せて
痩せこけた肢体を震わせて鳴く
やたらと愛しいこの世界に
塗りたくった画材の名残が映える
そんな綺麗な風景に心から笑う
|
|
|