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玉手箱
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作詞 コウスケ |
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休むことない社会の中に 僕は生まれた
靴紐を結ぼうとするだけで 置いて行かれた
孤独感を一人で処理しようとして 涙で喉を潤そうとして
行く宛ても特に無いまま 途方に暮れて
幸せになりたいとまでは 願わないけど
ただ僕の心が何かで 満たされていたい
生きる意味は僕にだってあるはず それでもこの手は何も握らず
研ぎ澄まされた玉手箱を 開けようとした
だけど・・・
終わらないモノの目的地をわざわざ
この手で組み立てる理由も無い
ボロボロでも可能性がそこにあるなら
その1に懸けてみたい
自ら未来を放棄することほど
愚かな行為は無いと知った
泣いて 笑って
再び朝日をこの眼に刻みたい
自分を誰かと比べたりして 勝手に妬んで
気付いたらいつも足を止めてた 下を向いたまま
上を見たら眩し過ぎると言って 自分に言い訳を繰り返して
悩むフリをしては逃げ続けて 息切れしていた
読みかけの本に挟んだ栞は まだ淡いまま
泥だらけの靴もいつの間にか 埃を被っていた
忘れていた 夢物語の続き 取り戻したい 見えない景色
だから牙を向ける玉手箱を 放り投げた
そして・・・
ようやく暗闇に慣れてきたこの眼を
光にさえも慣れさせないように
風の香りも 大地の音も
当然と思わないように
また背中に何か感じたら
それを「生きる喜び」と呼ぼう
笑って 泣いて
それでもこの声を轟かせたい
涙の内側に秘めていた言葉を
歌にのせて口から解き放とう
心の外側に置いて来た光も
少しずつでもかき集めよう
昨日へ戻り 事をやり直すことも
明日へ先走り 夢を見ることも
出来ないけれど
それでもこの玉手箱だけは投げ捨てよう
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