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ノックイン
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作詞 - S o U - |
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重い足取りで アパートのドア開ける
静寂な空間の中で ドンと音立て座りこむ
仕事してたら何だか 周りから冷たい目
俺が何をしたってんだ 不愉快極まりない
酒でも飲んで寝ようか でも明日また出勤
頭痛でも起きたら シャレにならないな
そんな時に金属の ドアを強く叩く音
インターホンは ドアの横にあるだろ?
近所迷惑なほど ドアを強く叩く音
耳を塞ぎながら 大声で叫んでみた
「うるせえぞ、用件ならちょっと待て」
根っこの生えた足を ゆっくりと持ち上げる
ドアの覗き穴を そっと見てみたら
見覚えの無い 小さい女の子の姿だった
そしてドアを開け 用件だけ聞いてみた
「お穣ちゃん、何の用だい?」
女の子は黙って 紙切れをつきつけた
紙に書いてある文字は 潰れて読めないが
少女の顔を見るなり 俺は驚いた
右目にかけた眼帯が 赤く染まっている
口をパクパクさせているが 声が出ないようだ
俺はもう一度 紙をよく見てみた
かなり読み辛くはあるが こう解釈できた
「とおいむかしの おんがえし なんでもします」
そういや随分前 右目を怪我した赤ん坊が
道路の真ん中 ハイハイしてたんだ
それを抱きかかえ 病院に運んだっけな
あの時の子が この子だと?
なぜ俺の場所 知ってるんだ?
記憶ってのは なかなか恐ろしいもんだ
とりあえず俺は 少女にこう言った
「恩返しは ありがとうだけにしてくれ」
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