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ななつのことば
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作詞 七月 |
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ひとつ聞こえた涙落ちた音
僕は目もくれず走り続けた
ふたつ聞こえた喉枯れた咳
僕は耳をふさいで駆け抜けた
「こんな所で 人助けをしてる場合ではないんだ」
僕は走り続けた 明日が見たくて
僕は駆け抜けた 他人を横目で見ながら
でもそれが 昨日を見ることになるなんて
これっぽっちも わかってなんかいなかった
よっつ聞こえた子猫の足音
僕は目もくれず叫び続けた
いつつ聞こえた小鳥のさえずり
僕は耳をふさいで歌い続けた
「こんな所で 一休みをしてる暇なんてないんだ」
僕は叫び続けた 疲れ果てた末に
僕は歌い続けた 誰かに助けてほしいから
でもそれは とても無意味な事なんて
昨日を見てしまった僕は 気付いていた
嗚呼 なんて世界に来たんだろう
嗚呼 なんて自分に生まれたんだろう
嗚呼 なんで世界は儚いんだろう
嗚呼 なんで自分は汚いんだろう
むっつ聞こえた僕を呼ぶ声
僕は目を開けて彼女を見た
「こんな所で 寝てたら風邪ひくよ?」
僕はやっと気付いた 彼女を見て
僕はやっとわかった この世界に来た理由
でもそれを 口に出す事さず胸にしまった
口に出さなくたってよかった 気付けたから
「僕は君に愛されたくて この世界に来たんだね」
もう一度走り出そうか 今の僕なら
涙落とす人を喉枯れてる人を助ける事ができるから
もう一度歌ってみようか 今の僕なら
子猫と小鳥と唄を歌える事ができるから
ななつ聞こえた 君に送る僕の声
僕は最高に笑って こう言ったんだ
「君に アエテヨカッタ 」
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