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蝶の涙と硝子のobjet
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作詞 鞄 |
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秋風薫る森の中
地を這い
光を弾く
硝子の青虫
いつか蝶になるその日まで
いつか空を見るその日まで
そびえる幹に
今日も思う
流れる液晶
光速で伝うその波で
理性を絡めとっていく
そよぐ風に呼応して
柔らかに奏でる両翼
詰め込んだ光を解き放ち
目下の緑を映し出す
透き通る硝子が砕けるまで
揺れる
命燃やしながら
秋風阻む黒い足
地を踏み
硝子を踏む
刹那の足跡
蝶になれずに砕け散る
空を見れずに砕け散る
果てた仲間に
何を思う
流れる銀
冷酷を纏うその牙で
何かを絡めとっていく
そよぐ風に呼応して
軽やかに舞う粒子たち
朝靄に包まれ瞬いて
見上げた緑を濡らしだす
砕けた硝子が肌に触れ
揺らす
涙の琴線を
さなぎに潜む青虫たちは
砕けた彼らを思い描く
彼らの願い絶やさぬため
闇を晴らす
羽化の共鳴
夜霧晴らす
硝子の音
瑲瑲
拡がる心に呼応して
燦爛と集う蝶々たち
硝子の粒子を持ち寄って
見上げた空へと積み上げる
重なる心に呼応して
懸命に積む蝶々たち
硝子の涙を持ち寄って
砕けた彼らを固めだす
最後の一つ紡ぎ終わり
煌く
空に
硝子の蝶が
秋風薫る森の中
地を這い
光を弾く
硝子の青虫
いつか蝶になるその日まで
いつか空を見るその日まで
蝶のobjetに
今日も思う
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