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バイオリン弾きの手紙
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作詞 憂鬱な画家と陽気な庭師 |
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バイオリンケースの中 書きかけの手紙
銃を抱いて 眠りについた少年
大人たちが 楽譜に沿った日常から
「サイレンが聞こえるよ」 って遠ざけた
線路の引かれた跡 新しいトニカ
弦を巻いて 号令を待つ間に
準備をして ウサギの仮面 外したら
「もう朝が来たんだよ」 って空を見た
不眠症の神様は
レイトショーに釘付け
丸い窓を小石がつつく
後ろのキリストの絵
汽車は国境を越えたよ
でも まだ夢の中
子供たちは夢の中
「これ、何の音?」 「広場にパリの楽団が来てるって」
「ほら、みんなが口をあけてる」
「とても面白い服だね」
「僕、大きくなったら楽団に入りたいな」
バイオリンケースの中 忘れられた手紙
嘘を吐いて パンを奪った兵士が
首にかけた 家族の写ったネックレスに
「もうすぐ帰れるから」 って呟いた
不眠症の神様は
ポップコーンまみれだ
戦闘機が空を切り裂く
優しいゆりかごの手
街に火が放たれたよ
でも まだ夢の中
子供たちは夢の中
「僕、大きくなったら楽団に入りたいな」
不眠症の神様は
白の衣装 着飾って
次の日 ここに残るのは
眩しい絶望だけ
瓦礫の上のポルカ
でも まだ夢の中
子供たちは夢の中
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