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蒼い花
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作詞 夢視 柊 |
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ある日前から歩いて来た快楽主義者が
僕に言う
「蒼い花はいかがですか」
緩やかに弧を描いて笑みを象るそのお面を
僕は見つめながら
「結構です」
呟いた。
ある日後ろから走ってきた追憶逃走者が
僕に叫ぶ
「過去から逃げるのは罪ですか」
爽やかな風と共に去り行くその後ろ姿を
僕は見送りながら
「当然です」
囁いた。
「軽く相槌をいつもうつだけなのですね」
「それ以外に何をしろと言う?」
「いいえ何も求めてはおりません」
「ならばもう僕を帰しておくれ」
ある日横から現れて来た悦楽主義者が
僕に問う
「蒼い花は要りませんか」
それは全てを良いものに変えてくれるという
僕は呆れながら
「結構です」
切り捨てた。
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