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せめてさよならをいわせて
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作詞 八助 |
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線香の香りが漂う一室
真っ白な布が覆い被さっている部屋
そしてあの人が
白い布団をかぶって白い服を着て
まるで寝ているかのような
そんな顔をして床に寝ていた
泣かなかった 泣けなかった 泣きたかった
少し前まで庭で掃除をしていたあの人が
少し前まで僕に手を振ってくれたあの人が
ずっと笑ってたあの人が
もう動かない もう喋らない もう笑わない
嘘か本当かわからなくって
本当に寝ているだけですぐにでも起きあがって
「おはよう」
と言ってくれると思ってた
でもそんなわけがなくてその人はなにも動かない
あぁもう話せないんだと思う
でもそれだけで
泣かなかった 泣けなかった 泣きたかった
もうあの人は僕に笑いかけてはくれない
あの人はもうこの世にはいない
せめて
さよならを最後に言いたかった
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