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短編詩集「暗?王國」
作詞 百鬼 蜈蚣丸
「暗?王國」

序章 最期前奏曲−ラスト・プレリュード−

 眠れ眠れよ 我の為
 さあ 父君よ眠り給へ
 殺せ殺せよ 我の為
 気に入らぬ者は殺し給へ

 血を浴び 紅
 体は染まる
 王位は 我が物
 心も浸る

 眠れ眠れよ 我の為
 さあ 父君よ眠り給へ
 奏で奏でよ 我の為
 戦慄 恍惚 最期前奏曲


第壱章 絶望交響曲−クライム・シンフォニー−

 嗚呼 國王よ
 非道な暴君
 我等に幸せは訪れるのか

 嗚呼 國王よ
 非道な暴君
 神よ、我等をお救いくだされ

 此の世が地獄よ
 絶望交響曲


第弐章 月無キ夜ノ夜想曲−ツキナキヨルノノクターン−

 少年が問う
 「オツキサマッテ ドンナイロ?」
 暴君は國を 闇で包んだ

 少女さえ問う
 「オホシサマッテ ドンナイロ?」
 暴君は民を 闇で包んだ

 良い子よ良い子
 眠れよ眠れ
 月無キ夜ノ夜想曲で


第参章 夢魔ノ円舞曲−ナイトメア・ワルツ−

 王は一人の姫を得た
 美麗な美麗な 花の様 

 光にも見える 姫君よ
 誠の光を見せてくだされ 

 民は願えど 姫は踊る
 父君と共に夢魔ノ円舞曲を


第四章 沈黙交声曲−サイレント・カンタータ−

 耳を澄ませば 微かに聴こえる
 哀れな民の 小さな歌声

 嘆きを歌った 悲鳴の歌
 恨みを歌った 憎悪の歌

 そう それは王には届かぬ
 反逆行為の沈黙交声曲


第伍章 血イ靴ノ小夜曲−アカイクツノセレナーデ−

 数々の戦に赴き
 その靴を血で染めた國王を
 今宵 静かに謳いませふ

 貴方には死という衣がお似合いで
 貴方には髑髏の冠が必要で
 貴方には血に染む靴がお似合いで

 今宵 静かに謳いませふ
 血イ靴ノ小夜曲


第六章 禁忌無キ小歌曲−カタルシス・アリア−

 國王よ
 歌の自由を与えてください
 神を讃える聖譚曲(オラトリオ)が歌いたいのです

 貴方ではなく 神を讃える

 歌の自由を与えてください
 禁忌無キ小歌曲を与えてください


第七章 暗君ヘノ賛美歌−アンクンヘノレクイエム−

 貴方を神と讃えませふ
 死した貴方は神で御座います
 その死は國に平和を齎しました 

 貴方の死こそ
 神の祝福
 貴方の死こそ
 永久の平穏

 皆々 声の限り歌います
 暗君ヘノ賛美歌を


終章 生誕終曲−グランド・フィナーレ−

 眠れ眠れよ 國の為
 さあ 父君よ眠り給へ
 眠れ眠れよ 民の為
 平穏の為に眠り給へ

 残酷非道ナ 我ガ父君ヨ
 全テヲ終ワリニ イタシマセフゾ

 眠れ眠れよ 國の為
 さあ 父君よ眠り給へ
 奏で奏でよ 民の為
 救済 悔恨 生誕終曲

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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歌詞タイトル 短編詩集「暗?王國」
公開日 2008/03/17
ジャンル 詩(ポエム)
カテゴリ その他
コメント 一人の暴君の誕生から新たな王の誕生までを認めた、物語のような詩で御座います。
国民の嘆きと王の愚かさを感じてもらえば、と。
百鬼 蜈蚣丸さんの情報













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