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役目
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作詞 織音 |
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あれはちょうど一年前…雪が深く積もった日の事−2℃の空気に凍った景色
春の匂い求め彷徨う街で君は羽を傷つけられた鳥のような瞳で僕を見てた
きっかけは多分それだけで十分だった…成り行きと言われても仕方がなかった...
だけど君は誰より煌めいて見えたんだ
だから…
幾つもの季節達を君と越えて限りなく永遠に近い愛のかたち見つけてみたい
夢のように君を手を引っ張って追いかけてくる現実から逃げるようにさらいたい
例え君が本当に僕を求めている訳ではないとしても…
時が流れ二人の上には桜 君はまたあの日と同じ歌を繰返し口遊んでいた…
「良い歌だね」取り繕うような僕の言葉に悲しそうに君は「そう?」と言った
次の桜吹雪が止む時に何故か君がもうそこにはいない気がして恐かった…
君の為に何が出来るのかさえ分からなかった
だけど…
何時までも醒めない夢を君に見せてもう二度と淋しい想いをさせたくなかった
その胸の奥に潜む黒い陰を全て僕にさらけ出してくれたら拭い去ってしまいたかった
でもきっと君の心に上手く写れない僕は無力だろう…
君が苦しい想いをしないように僕からさよならを告げたのは次の季節訪れてから
突然の夕立に濡れたその肩を守ることが僕に出来る精一杯の最後の役目だった
そして僕は君の心から想うの人の元へと送り出した
…君の香りが一瞬咲いて散った…
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