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ひとりぼっちのウサギ
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作詞 ミツバ |
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うさぎは
星に一人ぼっちで住んでいました
「僕ノ存在ヲ知ッテホシクテ」
一生懸命に歌を歌いました
すぐに気が付きました
「僕ノ存在スル意味ハドコニアルノ」
理由なんか考えたこともなかった
どこにもだぁれも居なかったから
自分が悲しくならないように
悲しい気持ちに気がつかないようにすれば良かっただけだから
うさぎは初めて
『悲しい』と思いました
「皆、僕ハココ二居ルヨ」
うさぎは星を散歩しました
寂しさを紛らわすために
星から見た宇宙はとてもキレイでした
「アノ星ハドウシテ悲シク輝イテイルノ」
答えがなくてうつむいたその目の先に
ちいさな水たまりができていました
うさぎはそれが自分の涙と知らず
ちいさなその手ですくい上げました
少し滲んだ視界の中で
うさぎは見つけました
水たまりにちいさなさなぎがあるのを
「君ハドコカラ来タノ??」「僕二会イニ来テクレタノ??」
楽しそうに尋ねるうさぎは
少し眠そうに答えるそれが一目で大好きになりました
「君と遊びにきたんだよ」
日に日にそれは大きくなって
うさぎも歳をとりました
目が見えなくなりました
耳も聞こえづらくなりました
それでも最初の友達の
少し眠そうな声ははっきり聞こえていました
命の火が消えかけて
悲しい音をたてていました
「最期ニ聞キタイコトガアル、君ハ一体何ナンダイ」
うさぎは最期にききました
「僕は名のない希望の光、君はこの星のいのちだよ」
意味がわからなかったけど
うさぎは静かに笑ってみせて
静かに目を閉じてしまいました
何百年も過ぎたころ
うさぎのちいさな水たまりは
海という名のものになり
名のないちいさなこの星は
地球という名のでっかい星になりました
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