|
|
|
雨
|
作詞 ほ☆さ☆か |
|
立ち尽くして 冷たい風にうたれて
湿ったままの 髪の毛から滴る雫
ひたひたと地面に落ちた
それを手に取った瞬間 悲しみを感じた
頬から伝わってきた涙と混ざって
心を癒してくれた
冷たい雨は降り注いだ 並木の下で突っ立ったままの僕を
そっと 撫でるように 哀れむように
すると流した涙と共に
悲しみはアスファルトに溶けた
泣きやんだ僕と空は 身震いして水しぶきをたてた
澄んだ青空 光を帯びた太陽 水をまとった並木道
この三つが揃って始めて
晴れ渡った世界が見えた気がした
葉から零れゆくひとつひとつの 粒が
まだ悲しみの余韻(よいん)を感じさせるよ
掌に乗った水を集めて 泣きっ面を拭った
冷え切った僕の心から温かさを感じた
感情の無い現実の針で 突き刺さった僕を
傷だらけのまま 壊れそうになった心を
そっと撫でるように 優しさを与えるように
天から降り注ぐ幾億の愛
冷たい雨は降り注いだ 木の陰で隠れていた小鳥は
雨音に合わせる様に 軽快な歌声を響かせた
冷たい雨は降り注いだ 並木道を抜けた僕の
傘の上から元気に叩きつけて来る音さえ
邪魔だとは思わなかった これもまた自然の歌声なんだろう
家の窓から見えた空の涙を僕は温かく感じた
空と一緒に流した 涙の跡には小さくたくましい
たんぽぽがアスファルトを突き破っていた
|
|
|