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一羽ガラスは硝子細工。
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作詞 雫依瑠子 |
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一匹狼、って言葉の強さに、ひどく憧れる。
あたしはそこまでの確固たる強さは生憎持ち合わせていないし、
凛とした様になる美しさも、思いを空へ返すための澄んだ声も皆無。
だからあたしは、「一羽ガラス」になるんだ。
それなら都合が良いでしょう?
他のものとは相容れない分、仲間同士で固まっては集団に埋没したがる狡さとか、
濁ってしまってなかなか届かなくて、それ故に張り上げ続けるガサガサの歌とか。
それにほら、「一羽ガラス」って、烏と硝子の融合みたいで。
ちょっと繊細なニュアンスもあるし、ね。良いでしょう?
あたしは、孤独を叫んでは繊細さをアピールして、みんなに優しくしてもらいたがる、
矛盾だらけの子だから。
ブラウン管が生産しては世間を賑わせ続ける自由奔放な女の子たち、
をいくら気取ったところで、あたしはあんなふうにかっこよくなれないから。
狼にはなれないから。
そんな宙ぶらりんなあたしたちは今日も、全てに背を向けては、生き方を模索する。
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