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ビー玉
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作詞 楼李 |
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幼かった頃
ラムネの瓶の中のビー玉が好きだった
その中を覗けば
全ての世界が歪んで見えて
いつまで見てても飽きなかった
いつからだろう
ビー玉を忘れたのは
実家のタンスの奥から
いつかのビー玉が出てきた
当時お気に入りだったハンカチに
大切に大切に包まれていた
ふ、と笑みが零れる
そっと目の前にかざす
陽の光が反射して綺麗だ
覗き方などもう忘れてしまったけど
幼い従姉妹にあげたら
無邪気な声をあげて
嬉々としてビー玉を覗いた
私も恐る恐る真似をする
鏡の前で
ビー玉越しに見えた歪んだ私
いつのまに こんなに歪んだんだろう
そっと目の前にかざす
陽の光が反射して眩しい
従姉妹は目を細めて喜んだ
私にはその光が痛くてたまらない
静かに目をそらした
従姉妹には
歪まないでいて欲しいと願うのは
すでに大人になりかけてしまった私のエゴだろうか
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