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雨
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作詞 TENKU |
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静かに降り出した雨に 傘もささずに僕らは
裏山へと続く道 手をつないで
頭が欠けたお地蔵さんが 草に埋もれ震えてる
抜き足差し足でそこを通り抜ける
あの日々の光景は遠く 僕は思い出すことも少ない
君の顔すら覚えていない
だけど無性に帰りたくなる
目の前に広がる海は広く 僕は泳ぎ出せずにいる
見渡したその目が捉えた 全ての物が怖かった
どしゃ降りの帰り道は 8月なのに寒くて
転げた僕に闇がのしかかった
通り過ぎる傘たちと 見下ろす幾つもの目
ついた膝に力が入らなかった
目の前の水たまりには 黒くよどんだ顔が映る
波でかき消し 全てを滅茶苦茶に変えてしまいたかった
星空は見えなくなってた 濁ったのは何なのかな
経堂の孤独なアパートで 雫が床にこぼれてた
畦道にそぼ降る 優しい雨で全て洗い流せたなら…
窓は激しくなる午前2時 耳で塞ぎ寝てしまった
朝 期待した虹はかからず どんより灰色雲
いつも行き帰る道端 お地蔵さんを見つけた
驚きでニンヤリ顔 背筋を伸ばして歩いてゆく
目の前に広がる海は広く 僕は泳ぎ出せずにいる
見渡したその目が捉えた 全ての物が怖かった
足元に広がる水たまり 一つ一つ飛び越えてゆく
泥靴で笑った あの日のままの気持ちで越えてゆくよ
戸惑いながら 恐れながら
怖いものは違うけれど
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