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相合い傘
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作詞 Dr.Fear |
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雨が涙に喩えられるようになってから
随分と時間が経っただろう
これは悲しい涙なんだと
ひとりで考えていた頃もあった
けれど今ではすっかり
うまく喩えられるようになった
ひとつしかない傘を
ひとりで翳していたあの頃は
冷たく降り注ぐ涙を
十分に防げていたんだ
今はと言えば
ひとつしかない傘を
ふたりで翳しているせいで
いつもどちらかがはみ出して
冷たい涙にうたれてしまう
雨を涙に喩えてみれば
はみ出した方は泣いて
濡れない方は涙を隠してる
空に暗い雲が浮かぶ日には
そういうことが頭に浮かぶ
傘をふたつにしてみれば
君は寄り添えない悲しみに
悩まされてしまうだろう
だから濡れてしまっても
相合い傘で歩こうとする
それは間違いではなくて
濡れたいわけでもない
ーもしもひとつしかない傘の大きさを
自由に選べるとしたら
ふたりがすっぽりとおさまるような
そんな傘が欲しいー
焦るとそんなことを思い
それをすぐに欲しがって心が痛む
そんな繰り返しのうちに
傘は痛んでいってしまう
たったひとつしかない傘なのに
だから
いつかそういう傘になると信じて
今は小さな小さな傘を握りしめ
耐えながら歩いてゆこう
涙と思わせる雨が
にわかに降り注いだ時に
笑って大きな傘を広げて
寄り添ったまま歩き出す
そんな未来を描きながら
小さな傘を持っている今だからこそ
それを願える幸せ
大きい傘はきっと重いだろう
それでも涙に耐えた僕らには
それを持つだけの力が
きっとあるから
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