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休日の朝
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作詞 碧雲 |
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休日の朝は
普段気が付かないものに
気が付く
空の青さ
鳥の囀り
遠くの街並みの天気
それと
本当の自分
いつもは朝ご飯を口に入れ走っている時間帯
間に合うか 間に合わないか
それしか頭にない
着いたころには
汗だくで
空にも
鳥にも
遠くの街並みにも
気が付かない
もちろん本当の自分にも
でも
あたしはそんな忙しい朝が好き
前から自分でも
不思議に思っていた
“あたしはなんでこんなに忙しいのが好きなんだろう?”
休日の朝
その答えがわかった
“スキ”
なのではない
“ワスレタイ”
のだ
本当の自分を
暇な時間があると
悩み
僻み
嘆き
泣いてしまう
だから“ワスレタイ”のだ
いつも一人で何でもこなしている自分
いつでもみんなのわがままを受け入れる自分
なんでも笑顔で乗り越える自分
『あんたなら一人で大丈夫だろ?』
『あの人ならなんでも聞いてくれるよ』
『あなたはいいねぇ いつも楽しそうで』
違う
それはあたしじゃない
あたしは
本当のあたしは…
ホントウノアタシッテ?
本当のあたしは
ただ誰かに認められたくて
分かって欲しくて
そばにいて欲しくて
ただそれだけなのに
どうしてわかってくれないの?
どうして気づいてくれないの?
空はこんなに青いのに
鳥はこんなに鳴いているのに
街はあんなに日の光で輝いているのに
「あたしに気づいてくれる人はいるの?」
泣き崩れるあたしの肩に
何か温かい
どこか懐かしい風が吹き抜ける
その風の中で
確かに聞こえた
あの声
“私はいつも見ているよ”
昔、聞いたあの優しい声
そうかあたしは一人じゃなかったんだ
あたしは見守られているんだ
「ありがとう おばあちゃん」
青い空に浮かんだ雲から
優しい笑顔が見えた
そんな休日の朝
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