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捨て猫
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作詞 虚蝶爛-コチョウラン- |
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僕はまだまだ無知だった
その事にすら気付かなくて
夢中になって精一杯叫んでいた
「どうか僕と遊んでください」
気付いてくれると信じてた
その暖かい手を待っていた
そんな声に奴等は
冷たく吐き捨てる
「うるさい」
「消え失せろ」
ある日叫ぶのを止めた
無知な僕も学習できた
「信用なんてできやしない」
そんな日が三日続いた
四日目の三日月の夜
あの子が現れた
精一杯強がってた僕に言ったんだ
「こんばんは」
「どうか私と遊んでください」
今まで待っていた
諦めていたその手を
あの子は容易く差し出した
何度跳ね返しても
その手を伸ばしてくる
初めて差し伸べられた手を
ぎこちなく掴んでみた
この子なら大丈夫
僕は小さく呟いた
「どうか僕と遊んでください」
ひどく冷えてた僕の手は
知らない間に少しだけ
暖かくなっていたことに気付いた
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