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白=黒
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作詞 にいなシオン |
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カタン、と郵便受けが音をたてた
差出人は貴方
私は嬉しくて嬉しくて
早速開けようとして気付く
この封筒も切手も全て
貴方が選んでくれたもの
貴方が選んだ調和なら
私なんかには壊せない
白い白い貴方にお似合い
白い白い綺麗な封筒
でもこのまま飾っていても
手紙は劣化してしまう
貴方が私に向けた言葉が
醜く劣化してしまう
だから私は食べたんです
貴方の想いを消化したくて
綺麗な貴方が選んだ手紙は
甘美で淫靡な舌触り
私も手紙を書きました
「食べちゃいました」と正直に
黒い黒い私にお似合い
黒い黒い醜い封筒
返事は返ってこなかった
やっぱり異常だったでしょうか
貴方を想うこの気持ちは
やっぱり異常なのでしょうか
その時カタン、と音がしました
見ると貴方が立っていました
鍵が開いてたと思い出すのに
たっぷり数秒かかりました
そして貴方は言ったんです
「食べちゃいました」と同じこと
「貴方の想いを消化したくて
だから内容見てないんです」
白い白い貴方から
黒い私と同じ言葉
きっと私達の手紙
内容も同じだったのでしょう
真反対の私達
想いも同じだったのでしょう
私は貴方に歩み寄る
貴方は私を抱き寄せる
そして最後に言うのです
食べてしまった手紙の内容
照れ笑いの沈黙の後
どちらともなく口を開いた
「仕方がないからお手紙書いた」
「さっきの手紙のご用事なあに?」
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